姿勢について⑤
福井県坂井市春江町の整体院、セラピストハウスの竹中です。
姿勢について①、姿勢について②、姿勢について③、姿勢について④に続いて、この記事でも姿勢について記事にしていこうと思います。
ここでは典型的な悪い姿勢について説明していこうと思います。典型的な悪い姿勢は、大きく5つに分類できます。
- 猫背
- 反り腰
- スウェイバック
- 左右アンバランス
- フラットバック
この記事ではスウェイバックについて説明していきます。
スウェイバックとは?
スウェイバック(swayback)とは、一昔前までは疲労姿勢とも呼ばれていました。この姿勢は中高年の人に多くみられ、見た目に覇気のない疲弊しきった印象を人に与えてしまう事があります。スウェイバックの語源は、ボクシングのディフェンステクニックの一つで、上体を反らして相手のパンチをかわす姿勢に似ているからです(下のイラストでは左側)。
スウェイバックの特徴的な姿勢は以下があります。
- お腹や股関節は前方へ突き出している(股関節の前方化 + 骨盤の後傾化)。
- 背中が丸くなっている(胸椎の前弯増強)。
- 重心が後ろにかかっている。
特にこの姿勢は、妊婦さんや育児中の方に多くみられます。
お腹の中に赤ちゃんがいる妊婦さんは、お腹が大きくなるため重心が前方に移りますが、その分だけ身体を後ろにのけぞらせる事で前方へ倒れないようにします(骨盤の後傾)。さらに、背中を丸くする事で後ろにのけぞった分をカバーしようとします(胸椎の後湾増強)。
この姿勢は育児により強化されます。基本的に、育児中はうつむいている時間が長いです。その結果、背中が丸くなります。
また、抱っこする時も原因となりやすいです。疲れていない時は良い姿勢で赤ちゃんを抱っこできるのですが、疲れている状態で赤ちゃんを抱っこすると、腰の上にのせて無意識のうちに負担を減らそうとする事があります。その結果、図のように重心の後方化と背中を丸くする姿勢、つまりスウェイバックをとる事があります。
右の図は、赤ちゃんの重心と赤ちゃんの重心が一直線でないため、赤ちゃんの体重をお母さんの力で支えないといけません。
左の図は、お母さんの重心が後方に位置していて、赤ちゃんの重心とお母さんの重心が一直線になっているため、赤ちゃんの体重をお母さんの身体(主に背骨)で支えています。お母さんは楽できるのですが、身体に無理がかかっています。
また、妊婦さんや出産直後の女性の身体は、全身の、特に骨盤周囲の靭帯が緩くなっています。これは赤ちゃんが産道を通りやすくするために、リラキシンというホルモンが分泌されて骨盤を緩くするためです。しかし、出産以外の面から考えると、骨盤が安定しづらい状態で全身に無理がかかりやすくなります。そのような状態で赤ちゃんを抱っこしたり、背中を丸くしたりして育児しているとどうなるでしょうか。当然、身体に無理がかかります。その結果、姿勢に問題を抱える事が多くなります。
スウェイバックの原因は?
では、スウェイバックの原因とは何でしょうか?
- 体幹の筋肉(特に腹筋)が十分に働いておらず、骨盤が後ろに傾いている。
- 背骨(特に胸椎)が固くなっていて、背中が丸くなっている。
- 股関節の筋肉(特に腸腰筋)が弱化していて重心が後ろに偏っている。
などがあります。
そのほかにスウェイバックによって誘発されやすい特徴にこのようなものがあります。
- お尻が下がって見える。
- 胸が下がって見える。
- 腰痛がでやすい。
- 呼吸が浅くなる。
スウェイバックになりやすい方の特徴としては以下が挙げられます。
- ライフステージ(妊婦や育児中の方がなりやすい)
- 生活習慣(椅子に座る時に浅く座り背もたれによりかかっている人)
- 運動不足(体幹や股関節の筋力低下、背骨の柔軟性低下している人)