姿勢について①
福井県坂井市春江町の整体院、セラピストハウスの竹中です。
今回から連続で姿勢についてまとめていこうと思います。かなり長くなりますので、ご了承ください。
姿勢とは?
姿勢とは何か?
人によって定義が違うと誤解を招くため、姿勢の意味を定義しておきます。姿勢という言葉を国語辞典で調べてみると以下のようになるそうです。
姿勢【しせい】
①体の構え。
「防御のーをとる」「-が良い」
②物事に対する構え。態度。
「政治のーを正す」「問題に取り組むーが大事だ」
つまり、目に見える格好、立ち姿などの姿かたちという意味と、目に見えない人の心構えや気持ちなどの2つの意味を、姿勢とは含むのです。今回扱う姿勢とは、当然、目に見える格好、立ち姿のほうです。
私は、姿勢を意味の面から考えると、重力との調和がとれている事が最も重要であると考えています。言葉を変えると、重力との調和が得られていない姿勢は、姿勢という意味を果たしていない、と思います。
では、重力との調和を得るとはどのような事なのでしょうか?
人間は望むと望まざるにかかわらず、強制的に重力に曝されて生きています。もし、重力に抗う事をせずにいるとどうなるのか?重力に抗う事をしなければ、一歩たりとも体を動かす事は不可能です。自分にかかっている重力分の力を自分の力で発揮する。そして動くためには、それ以上の力を発揮する。そのように私たち人間は動いています。
重力との調和、と少々難しい印象を与えるかもしれませんが、平たく言うと、地球に引っ張られる事なく姿勢を保つことができれば、重力と調和できていると言えます。
では、調和をとるためにはどのような事が必要なのでしょうか>
人間が重力との調和をとるために使える器官は限られています。その器官とは
1 筋肉
2 骨をはじめとする支持・結合組織
の2つだけです。そして「2 骨をはじめとする支持・結合組織」を利用しての姿勢保持は、中・長期的に骨をはじめとする支持・結合組織に細かいダメージを与え続け、加齢とともにいずれ破綻をきたしてしまいます。そのため「1 筋肉」を使って、姿勢を保つ必要があるのです。
次いで、姿勢の根幹をなす背骨について説明します。背骨には大きく2つの湾曲があるという事以外はあまり大切ではないので、興味がない方は読み飛ばしても構いません。
背骨は医学的には「脊柱」と呼ばれ、主な働きは3つあります。
①体重を支える
②身体を動かすこと
③脊髄(脳と身体をつなぐとても大切な神経)を守ること
です。
脊柱は一塊の骨はなく、手のひらにのるくらいのサイズの小さい骨(脊椎)によって構成されています。この脊椎が積み木のように24個重なり脊柱となります。脊柱は日本人の平均で75センチの長さになります。首の脊椎を頸椎といい7個。胸部の脊椎を胸椎といい12個(胸椎には肋骨が付着します)。腰部の脊椎を腰椎といい5個あります。そして大切なのが、脊柱はまっすぐなのではなく、胸部に後ろ向きに凸の湾曲を、腰部で前向きに凸の湾曲を形成していて、脊柱全体を横から見るとアルファベットのSの字のような形をしているのです。この湾曲が減少したり、逆に過剰に強くなってしまったりして姿勢が悪くなることが多いです。