免疫①-免疫とは?
福井県坂井市春江町の整体院、セラピストハウスです。
寒くなってきて、感染症が流行りやすい時期になってきましたので、感染症に対する免疫について、数回にわたって説明していこうと思います。
免疫とは「疫病から免れる(=しっぺいからのがれる)」こと
歴史的には、紀元前5世紀のギリシャ・カルタゴの戦史中に、ペストに対して「二度なし」という免疫を表す言葉が記載されているのが、最も古い免疫に関する記載のようです。
14世紀に全ヨーロッパに大発生したペストは、大流行と小流行を繰り返しながら、ヨーロッパの全人口の三分の一から三分の二を死に追いやったと推測されています。ペストは「黒死病」といわれ、悪魔のなせる仕業と考えられおり、罹患者は次々と悲惨な死を遂げていきました。このとき、慈善活動を行うキリスト行騎士団や修道士たちが献身的に看護にあたったことが知られています。そして、そのなかで奇跡的に助かった僧侶やキリスト教騎士たちは、その後、いくらペスト患者と接触しても二度とこの病に倒れる事がなかったのです。
キリスト教徒のかれらは「これこそ神のご加護である」と信じました。この「神のご加護」を得たものに対してローマ法王が課税を免除したことから”im-munitras(免除)”、つまり『法王の課税(munitas)を免がれる(im-)』という意味の単語が用いられ、それが今日のimmunity(免疫)という言葉の語源になっています。
免疫の仕組みとは?
この「神のご加護」は神のもたらした奇跡ではなく、生体のもつ免疫反応によるものであることが証明されるまでには、その後600年近くかかりました。
免疫とは、病原菌などの外敵に対して、生体が備えている体内の防衛機構のことをいいます。 ここで大切な事は、今まで出会ったことのないペスト菌に対して、生体はどのような仕組みの免疫機構で防御したのか?ということです。
この機構に対して、仮説は2つありました。
①生体は、今まで出会ったことのないペスト菌に対して、生まれながらにすでに対ペスト菌の免疫機構を装備していたのか?
②そうではなく、初めて出あったペスト菌に対して、生体が自ら学習して対ペスト菌の免疫機構を新たに作り出したのか?
この2つの仮説のどちらが正しいのか?
その全貌を明らかにする学問が免疫学です。