痛み 血流障害による痛みー閉塞性動脈硬化症(ASO)、閉塞性血栓血管炎(TAO)、レイノー症候群
福井県坂井市春江町の整体院セラピストハウスです。
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血流障害による痛みの代表的な疾患、閉塞性動脈硬化症(ASO)、閉塞性血栓血管炎(TAO)、レイノー症候群について説明します。
閉塞性動脈硬化症(ASO)
閉塞性動脈硬化症(ASO)は本来は下肢の慢性動脈閉塞症ですが、近年では脳血管や冠動脈などにも閉塞が進む重症症例が増えています。ASOの本体は、脳梗塞や心筋梗塞でもみられるアテローム動脈硬化症であり、動脈の内側に粥状(アテローム性)の隆起(プラーク)が発生します。プラークが長い時間をかけて成長すると血液が流れにくくなったり、プラークが破れると血管内に血栓ができたりして臓器への酸素や栄養の供給が阻害されます。高血圧、高脂血症、糖尿病などを背景としたもので、全身の動脈硬化性病変を治療する事が必要になってきています。患者さんのほとんどは50歳以上の男性であり、食生活の欧米化とともに、日本でも増加してきました。間欠性跛行が初期症状として表れ、病状が進行していくと、安静にしていても痛みがありますが、激烈というほどではありません。血流障害により皮膚の一部に潰瘍ができ、さらに症状が進むと皮膚が壊死して壊疽となります。閉塞部より末梢にある血管が良好な場合は血行再建手術を受けられますが、そうでない場合は下肢の切断を余儀なくされることが多いです。
閉塞性血栓血管炎(TAO)
閉塞性血栓血管炎(TAO)は、レオ・バージャーというオーストラリア生まれのアメリカ人が初めて報告したことからバージャー病とも呼ばれています。
四肢末端の中小血管の血行障害をきたす疾患です。20~40代の喫煙男性に多くみられます。TAOはASOと並ぶ代表的な血流障害ですが、ASOの患者数が増えつつあるのとは対照的に、新たにTAOを発症する患者数は減少してきています。
TAOもASOと同様に間欠性はこう、安静時痛などが主症状ですが、ASOとは異なり静脈炎を伴うことがあり、TAOの半数以上では下肢だけではなく上肢の血管も侵されます。痛みは昼溶離も夜の方が強く、一睡もできないほど強烈になり、ペインクリニックでの除痛と結構改善が治療の主体となります。
レイノー症候群
寒冷や精神的なストレスをきっかけとして発作的に四肢末端の小動脈が収縮し、皮膚が蒼白になる症状を、レイノー症候群と言います。女性に多く見られます。
基礎疾患を持たないものもありますが、ASOやTAOをはじめ膠原病、血液疾患、末梢神経障害などさまざまな病態に伴って出現することから、レイノー症候群と呼ばれます。
基礎疾患を治療することがまず大切ですが、血管収縮に交感神経緊張が深く関与しているので、対症療法として交感神経遮断術が施行されます。