福井県坂井市春江町の整体院、セラピストハウスの竹中です。
最初に、この記事の要点をまとめます。
うつ病などの精神疾患を患っている方に対して、整体ができる事は、自律神経を整える手技を提供する事です。
目次
うつ病の現状
うつに限らず、統合失調症、双極性障害、適応障害、その他多くの精神疾患がありますが、それらの罹患者数は年々増えています。
出典:厚生労働省患者調査
その中でも、この資料によると、15年間で認知症(アルツハイマー病)は7.3倍、気分障害(躁うつを含む)が1.8倍と、特に増えています。
出典:厚生労働省患者調査
うつ病の人が増えているのは、なぜ?
年々増加している原因は、社会の変化が原因ではないかと推察されています。社会の変化の一つとして挙げられるのは、うつ病という病気が広く認識され、自分もそうではないかと疑い、受診する人が増えた可能性が高くなった事があります。また、うつ病の診断基準が広がり、以前はほかの病気と診断されていた方が、うつ病と診断されるケースが増えた事もあります。
しかし、それだけがうつ病の人が増えたと考えるのは不十分かもしれません。なぜなら、統合失調症など、他の精神疾患よりも、うつ病の人が増えているからです。うつ病が増えている最大の原因は、社会環境の変化に伴うストレスの増大にあると考えられます。しかも、そのストレスは昔のような単純なものではなく、さまざまなストレスがからみ合って起こる、複合的なストレスの場合が多いです。インターネットの普及、家族構成の変化、少子高齢社会、地域コミュニティーの崩壊、不景気に伴うリストラなどに限らず、大きな自然災害もストレスの大きな原因です。近年の社会環境の激変は激しいものがあります。この変化に伴い、晒されるストレスは大きなものでしょう。便利な社会になった反面、ストレスを受け、心のトラブルに悩まされるようになったのではないでしょうか。
うつ病ってなに?
うつ病は気分障害の1つです。その気持ちは「雨降りの日の感情」といわれるように、なにかしらもの悲しい、漠然としたゆううつな気分です。「気の沈み」「悲しみ」「不安」「焦燥感」「劣等感」「虚しさ」「気が滅入る」「重苦しい」など、さまざまな言葉でも表現されます。
これらの気分を精神医学では「抑うつ気分」と言い、うつ病でない人も経験します。一時的に気持ちが落ち込んだ状態と、うつ病の抑うつ気分を比べると、気分の落ち込みそのものについては、質的な差はあまりないといわれます。気分の落ち込みが一時的で、時がたつにつれて消えていくようならば正常の範囲であり、数週間あるいは数か月というように非常に長く続き、日常生活や社会生活に支障をきたすようであれば、うつ病を疑われます。
うつ病の場合、気分の落ち込みが正常の人と心理的には同じような性質と考えられますので、どこまでが正常で、どこからが病気かと決めるのは非常に難しいです。専門医の診察を受けて下さい。
うつ病の症状は2つに分けられる
うつ病の症状を大きく分けると2つに分ける事ができます。2つとは、「精神症状」と「身体症状」です。さらに、「精神症状」は「感情面」「思考面」「意欲面」に分ける事ができます。
精神症状-感情面・意欲面・思考面
精神症状-感情面-気分の落ち込み
ゆううつ感やイライラ感、不安感、焦燥感などがメインです。「なんとなく気が晴れない」「訳もなく悲しい」「将来に希望が持てない」「つまらない」など、さまざまな事に否定的に感じる事が増えます。こういった気持ちになる事はうつ病以外の人でもあるのですが、程度が重くなってきたり、気分が落ち込んだままの期間が長くなるなど、本人は特に辛い思いをします。
精神症状-意欲面-意欲・気力がなくなる
うつ病の人で多いのが意欲がなくなる事です。「すべてがおっくうになる」「どちらでも良いような事が決められない」「いつまでも考え込んでいる」など、やる気がなくなってしまいます。また、動作が鈍くなり、全体的にのろのろとした感じになる事もあります。
精神症状-思考面-思考力が低下する
感情や意欲にとどまらず、思考力の低下もみられます。「頭がボーっとしている」「考えがまとまらない」など、あるいは直接的に「頭が悪くなった」ように感じるなど、自覚することもあります。この思考力の低下に伴い、集中力がなくなる事や、興味や関心がなくなるという事も起こります。
身体症状
うつ病の方の身体症状で、最も多いのは「睡眠障害」です。多くは不眠としてあらわれますが、人によっては過眠としてあらわれる事もあります。ただの不眠症と大きく異なるのは、寝覚めの気分の悪さと疲労感です。ただの不眠症ならば、十分に睡眠をとれば目覚めが良くなるのですが、うつ病の身体症状としての不眠であれば、目が覚めても気分がうつうつとして、なかなか布団から出られないなどの症状がでます。睡眠障害のほかには、全身の倦怠感や頭痛、耳鳴り、めまい、肩こり、腰痛、手足のしびれ感、食欲不振、口の渇き、内臓の不快感、胸部圧迫感、性欲減退など、実にさまざまな症状があらわれる事があります。
うつ病の人が整体を受けると、どうなるの?
さて、この記事の本題ですね。うつ病の人が整体をうけるとどうなるのか?冒頭でも書きましたが、自律神経の調整を目的とした手技を受ける事ができます。うつ病であらわれる身体症状の原因は、いまだ未解明な点が多いのですが、原因の1つとして自律神経の乱れが考えられています。自立神経の乱れとは、2パターンで現れます。
正常な自律神経のパターン
自律神経は、興奮状態の交感神経優位状態と、リラックス状態の副交感神経優位状態を交互に行き来することで、体の健康を保ちます。
自律神経の乱れ方 パターン1
交感神経or副交感神経のどちらかへの振れ幅が小さくなる。この図のような状態であれば、興奮している交感神経優位の状態でいる時間が長くなり、リラックスしている副交感神経優位の時間が短くなります。十分なリラックスができなくなり、睡眠障害の原因の1つとなります。
自律神経の乱れ方 パターン2
交感神経or副交感神経のどちらかに振れ切って、そのまま張り付いてしまう。この図のような状態であれば、興奮している交感神経優位の状態ばかりになり、リラックスしている副交感神経優位にはならなくなってしまいます。こちらの場合も、睡眠障害の原因の1つになってしまいます。
ここで挙げたような乱れを整えるために、様々な手技を用いてアプローチする事で、自律神経の調整を行います。具体的にどのような手技を用いるかは、ケースバイケースですので、お気軽にお問い合わせください。