「腱鞘炎」とは何でしょうか?
福井県坂井市春江町の整体院、セラピストハウスの竹中です。
在宅時間が増えたからでしょうか。
手首、指、肘といった腱鞘炎が疑われる方が増えている印象があります。
そもそも、「腱鞘炎」とは何でしょうか?
腱鞘炎とは、指や手首を使いすぎることで、腕や手にある腱や腱鞘に負担がかかり、炎症が起きている状態のことをいいます。
人体の身体のなかでいちばん細かい動きができる部位は手です。手は14個の指の骨と5個の手のひらの骨、8個の手首の骨の合計27個の骨でできていて、それぞれの骨はバラバラにならないように靭帯で繋がれています。このたくさんの手の骨を動かすことができるのは、手指の骨と筋肉をつないでいる腱があるからです。
腱は手首から指先にかけて通っている丈夫なヒモのような組織で、腱を動かすと腱についている筋肉も連動して動きます。私たちが自由に手指を曲げたり、伸ばしたりすることができるのは、腱が動いているからです。
この腱は、動くときに骨から離れないよう、ところどころバンドのような組織で押さえられています。この組織が、腱鞘です。
腱鞘の「鞘」は「サヤ」の意味で、その名の通り腱をおさめてる筒のようなトンネル状の形をしています。腱は何本もあるため、腱鞘には腱がバラバラにならないよう固定する役割もあります。
指を曲げ伸ばしするとき、腱は筒状になっている腱鞘のサヤのなかを行ったり来たりして、往復運動をしています。通常であれば、私たちが手の指を動かすとき、腱は腱鞘のなかをスムーズに動いています。
ところが、指や手指を頻繁に曲げ伸ばししたり、指を速く動かしていると、腱と腱鞘がこすれ合い、炎症を起こすことがあります。すると腱が腫れて太くなったり、腱鞘のサヤのなかが狭くなり、指や手首を動かすときにスムーズな動きができなくなってきます。次第に腱と腱鞘がさらに強くこすれ合うようになり、ますます炎症が悪化し、やがて指を動かすたびに痛みを発するようになります。これが、腱鞘炎が引き起こされるメカニズムです。
腱鞘炎は特定の部位の使いすぎが原因になっていることが大半で、手首に限らず手や指をたくさん使う人にも多く発症しています。
指や手首はもちろん、腱や腱鞘のある部位であれば、どこでも腱鞘炎になる可能性を持っています。たとえば、ジョギングをしすぎると足首や足の甲に腱鞘炎が起こることがあるのです。
また、加齢やなんらかの原因で腱が厚くなったり、かたくなると、腱と腱鞘がこすれ合い、炎症を起こしやすくなり、痛みや腫れがあらわれます。中高年になると腱や腱鞘が硬くなり、血行も悪くなりがちなので、いままでと同じような生活を送っていたにもかかわらず、腱鞘炎を発症するケースも出てきます。
最近は腱鞘炎に悩む産後もママもふえています。腱鞘の柔軟性はホルモンに影響されることがあり、とくに女性の場合は妊娠中や産後、更年期など、ホルモンバランスが大きく崩れる時期に発症する人が多くいます。