腰痛に関して
腰痛で当院にお越しの方は多いです。
今まで当院に来られた方を分析してみると腰痛を訴えた方が約4割にものぼり、最も多い症状でした。
この結果は、厚生労働省の行う国民生活基礎調査の結果、「最も受診率が高い訴えは腰痛」とも一致します。
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa13/dl/16.pdf の 21ページ より引用
このように国民病と言われるほど、私たち日本人にとっては身近な症状が腰痛です。
そして多くの人がその症状が発生しているにもかかわらず、
「仕方ない」
「その内治る」
「病院に行っても・・・」
と、そのままにしてあるのも事実です。
ひと言に腰痛と言っても、
ぎっくり腰に代表されるような急性のものから、
長年にわたりその鈍痛に悩まされる慢性的なものまで、
その種類や症状はさまざまです。
腰痛は原因がはっきりしない「非特異的腰痛」と
原因がはっきり特定できる「特異的腰痛」の
大きく2つに分ける事ができますが、
中には内臓疾患が原因で起こる腰痛もあるので、
「たかが腰痛くらい」と安易に考えない方がよいでしょう。
ここで原因がはっきりしない腰痛 非特異的腰痛について説明したいのですが、
その前に、危険な腰痛のチェックポイントを紹介します。
危険な腰痛(red flag sigh)は?
腰痛だけにとどまらず、腰痛の背景に重篤な病変が隠れている事があります。
下のチェック項目に該当する場合は医療機関への受診をお勧めします。
・24時間持続する痛み
・身体を動かしても、痛みが変わらない
・発症年齢:20歳以下または55歳以上
・胸部痛
・癌
・ステロイド治療
・HIVに感染している
・栄養不良
・体重減少(ダイエットなどでの体重減少は除く)
・広範囲に及ぶ神経症状:急に手や足に力が入らなくなったや、尿や便のトラブル
・背骨の変形
・発熱
原因が特定できない腰痛(非特異的腰痛)とは?
雑誌やテレビ、インターネットなど、さまざまなメディアで言われており、
今まで聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
「腰痛の75%は原因が分からない」と。
これはカラクリがあります。
原因が分からないではなく、
レントゲンやMRIといった画像診断と本人が訴えている症状が一致しないことを
原因が分からないと言っているのです。
例えば、腰椎椎間板ヘルニア。
純粋なヘルニアであれば、下肢の神経症状のみが出現し、腰痛はみられないのですが、
このような方は、本当に、本当に、とてもまれです。
あるとすれば、事故などの外傷くらいです。
純粋なヘルニアであれば、下肢の神経症状だけで、腰痛を併発しません。
しかし、事実、腰痛も一緒に出現します。
これは、なぜか?
そもそもヘルニアに至る状態が腰痛を引き起こしているのです。
ヘルニアに至る状態とは、腰に無理がかかり、
その結果、ヘルニアが脱失しているのです。
そしてまた、腰に無理がかかっている状態というのは、
腰痛を引き起こしやすいのです。
つまり、ヘルニアが腰痛を引き起こしているのではなく、
腰に無理がかかっている事で、ヘルニアが起こりやすく、同時に腰痛も引き起こされているのです。
この腰に無理がかかっている状態は、
レントゲンやMRIでは原因が特定しにくいのです。
東京大学で腰痛の研究をされている医師は次のように提言しています。
非特異的腰痛の原因は姿勢や生活習慣によるものと、心因的要素とがある。
このような理由で、当院では、
お客様の姿勢と生活習慣に着目し、
また心因的要素のケアも心がけていく事で
腰痛へのアプローチを行っています。