顎関節症とは?
日本顎関節学会の定義によると「顎関節症は、顎関節や咀嚼筋の疼痛、関節(雑)音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名である。その病態は咀嚼筋痛障害、顎関節痛障害、顎関節円板障害および変形性顎関節症である。」とされており、症状としては、「あごが痛む(顎関節痛・咀嚼筋痛)」 「口が開かない(開口障害)」 「あごを動かすと音がする(顎関節雑音)」があります。
顎関節症の原因は?
顎関節症の原因は、①咀嚼筋自体の痛み ②関節円板の固さ による2つがあります。①②ともに、顎関節症の原因は食いしばりにある事がほとんどです。
顎関節症に対して整体でできる事は?
顎関節症に対する当院のスタンスとしては、①咀嚼筋自体の痛みに対しては咀嚼筋のリラクゼーションを ②関節円板の固さには外側翼突筋の求心性収縮を促し、顎関節の関節円板のスムーズな動きを回復させる事をメインに考えています。
①蝶形骨の調整
外側翼突筋は頭蓋骨を形成する蝶形骨から始まり、下顎頭頸部に付着し、この一部が関節円板にも付着します。そのため、蝶形骨が回旋していたり、側屈していたりすると、一側の外側翼突筋の機能が低下します。まずは、蝶形骨の位置関係を良い位置に戻すように取り組みます。
②外側翼突筋の求心性収縮を促す
①で蝶形骨の調整ができたら、次は外側翼突筋の求心性収縮を促します。これが上手にできると、関節窩に固着した関節円板の前方への滑りがでてき、顎関節の適合性が向上します。
③外側翼突筋と他の咬筋との協調性を促す
咀嚼動作は外側翼突筋のみで行う訳ではありません。外側翼突筋と内側翼突筋、咬筋、側頭筋の4つの筋肉が強調して働く事で、咀嚼動作が行われます。②の段階で、外側翼突筋の機能改善を得ているため、今度は他の咀嚼筋と協調性をもって働く事ができるように働きかけていきます。
顎関節症に対する整体の限界は?
顎関節症の発生原因として、歯の問題があります。上下の歯の長さが不適切(多くは短く空踏みになっている)な事が、顎関節症の一因になっている事があります。整体で、歯の長さの調整は行えません。良い歯科に受診して下さい。また、下顎頭や下顎窩などの変形を直す事もできません。